熱中症
梅雨が明けてしまいました。6 月の梅雨明けは異例のことで、記録的なことだそうです。しかも、降水量が非常に少なく、水不足になるのでは、と心配しています。
急に暑くなってきたので、熱中症が心配です。テレビでもよく言われているように、適切にクーラーを使って、脱水にならないよう、十分に気をつけてください。
そこで重要なのが、水分の補給です。
いくらでも水を飲めばいい、というものではありません。
あくまで「こまめに」摂取することが大事で、また、飲水量は
高齢者を含む学童から成人が500~1,000mL/日、
幼児が300~600mL/日、
乳児が体重1kg当たり30~50mL/日
を目安として推奨されています。大人でも、500ml ペットボトル 2 本程度です。民間療法で、1 日最低 2L を摂取する、という事を言っている人がいますが、水中毒になる可能性があり、絶対にしてはいけません。
また、原則は水分のみの補給が基本なのですが、今のように高温の環境では、大量に汗をかいています。それに伴い、汗の塩分が補填されないと、Naが希釈され、痙攣がおきやすくなります。また、血清浸透圧の低下による水利尿によって体外に排泄されてしまい、逆に脱水情態が強くなることもあります。汗をかいて足がつる、というのは、この状態です。これが重症化した情態が水中毒です。
簡単な水分補給としては体重測定をおこない、その減少分と同等の水分補給または 0.1〜0.2% 程度の食塩水、つまり1Lの水に 1〜2g の食塩を加えたものがいいでしょう、さらに、糖分として、砂糖大さじ2-4杯(20-40g)を加えると、効率よく水分を吸収でき、有効な予防になります。
市販の飲料水であればNa量を100mLあたり40-80mg含んだものが適当で、理想的なものが、経口補水液です。市販されているものでは、OS-1 などがあります。また、梅昆布茶や味噌汁なども、ミネラル、塩分が豊富に含まれており熱中症の予防に有効と考えられます。
いわゆるスポーツ飲料は、さらにカロリーを消費し大量の汗をかく状態を想定してありますので、非常に高カロリーになっており、ナトリウムは逆に低く抑えられています。ですから、少量の摂取でしたら問題ないですが、そればかりを大量に摂取すると、いわゆるペットボトル症候群、高カロリーによる高血糖、大量の水分補給による希釈とナトリウム補充不足による低ナトリウム血症によって、痙攣がおきたり、意識障害を起こすこともありますので、十分な注意が必要です。
適切な水分補給をおこない、暑さを乗り切ってください。