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子宮内避妊システム(避妊リング)

子宮内避妊用具 ( Intrauterine device : IUD ) は、妊娠をコントロールする目的で子宮内に装着する小さな器具のことです。昔は避妊リングと呼ばれていました。

IUD は一度装着すれば、数年にわたり避妊が可能なので、長期の避妊を望む女性に適しています。装着には、子宮頚管が細く無い事が必要で、出産経験がある方に向いています。470007_254910BF3058_1_06_fig07

現在使われているIUDは、

  • IUD:銅などが付加されていない IUD
  • 銅付加IUD:銅が付加されている IUD
  • 薬剤付加IUD:薬剤が付加されている IUD

の3種類に大きく分けられ、それぞれ避妊のメカニズムや使用方法、避妊効果が異なります。

特に、薬剤付加 IUD の中で黄体ホルモンを用いたものを、子宮内システム ( Intrauterine system : IUS ) と呼んでいます。避妊効果が非常に高いという特徴を持ち、状況に左右されない安定した効果を持っています。

当院では、薬剤付加IUDの中で黄体ホルモンを用いたものを主に使用しています。

この IUD は、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を子宮の中に持続的に放出するすることで、低用量経口避妊薬 (OC) の高い避妊効果と、子宮内避妊用具 (IUD) の長期の避妊が可能であるという特徴を持っています。また、過 多月経の治療薬として国内外のガイドラインですすめられています。

この黄体ホルモンが子宮内に装着された IUD より徐々に放出される事により、子宮内膜(子宮腔の内側を覆っている膜)に直接作用する事によって、子宮内膜の肥厚を抑える効果があります。このため、授精した卵子が着床出来ない事によって妊娠を避ける事が出来ます。発売当初はこの目的で使用されていたのですが、この子宮内膜の肥厚を抑える作用のため、月経時の出血量が激減します。この作用を過多月経の方(生理の出血が非常に多い方)に利用すると、出血量が非常に少なくなるという効果が確認されています。

現在では、世界 130 カ国以上で、のべ 2000 万人を越える女性が使用しており、日本では 1989 年頃より神戸大学を中心に臨床研究が開始されました。その後個人輸入などで使用され始め、2007 年には日本でも発売されました。2016 年には過多月経の方では保険適応となりました。

現在市販されている IUS は、ミレーナ52mg です。当院では、避妊目的、過多月経の治療目的合わせて、 延べ 900 人を超える使用実績があり、大きな副作用はありません。

装着は外来で可能で、10 分ほどの処置で終了します。出産経験のある方では、痛みはほとんどありません。

有効期間は約5年間です。単純な IUD が 2 年で交換が必要な事を考えると、倍以上の長期間有効で、交換する手間と費用が省けます。ちなみに月当りの費用は、700 円程度です。

装着後には定期健診が必要です。メールで健診時期をお知らせするリマインダーサービスに登録される事をお勧めします。

詳しくは、こちら をご覧ください。

なお、経膣分娩の経験ガ無い方(未産婦や帝王切開分娩のみの方)、強い子宮後屈の方では、挿入時に痛みを伴ったり、挿入が困難なことがあります。子宮頸管を広げるための処置を行い、挿入を試みることがあり、数時間程度かかることが有ります。

 

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