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ピルと片頭痛

[2019.07.31]

片頭痛を訴えて来院される方は少ないですが、お話を伺っている中で見つかる事は多いです。

通常は鎮痛剤で対処できるのですが、特に症状の強いかたや、頭痛が出る前に前兆のある方では、きちんとした治療が必要です。最近、片頭痛に良い治療薬が発売され、治療成績も非常に言い様です。

片頭痛の一部のかたでは、月経前から月経中の時期に起こることがあります。月経前片頭痛や月経関連片頭痛と呼ばれています。おそらく、軽い片頭痛があり、月経前のエストロゲンの減少によって強い症状がでるとされています。そのために、経口避妊薬、いわゆるピルが、非常に有効な可能性があります。

ただ、経口避妊薬は、片頭痛に対しては要注意投与、前兆のある片頭痛の方では禁忌(投与してはいけない)なので、容易に使ってはいけないのです。厚生労働省の鑑修の入っている薬品の添付文書では、

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

 前兆(閃輝暗点,星型閃光等)を伴う片頭痛の患者[前兆を伴う片頭痛の患者は前兆を伴わない患者に比べ脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある.]

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

 前兆を伴わない片頭痛の患者[脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある.]

とあります。

前兆を伴う片頭痛を訴えておられ方が経口避妊薬を使用することで、脳卒中が増加することが確認されています。

ですから、まず、片頭痛について、脳外科や神経内科などで診察を受け、治療が必要なものでしたら治療を開始した後で、治療が必要なければ注意しながら慎重に経口避妊薬を使っていく必要があります。

経口避妊薬は、月経前片頭痛に非常に有効ですので、一部の産婦人科や内科などで安易に処方されているようですが、大きな副作用があり、強い副作用が出た場合には生命に関わる可能性があることも、十分に説明を受けて、副作用について理解した上で処方してもらいましょう。

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