新生児搬送
生まれたての赤ちゃんには、色々な事が起こります。
緊急で対処しないといけない状態の事もあり、出産の直前からの胎児のモニターは、重要なデータです。
一番多いのは、呼吸不全の状態でしょう。一人一人状態は違いますが、呼吸が早くて浅い、という状態が多いです。とりあえず、呼吸をしやすい様に、口腔内と喉頭内を吸引して分泌物を取り除きます。その後、酸素を与えて少しでも酸素が取り込める状態を作ってあげます。それで状態が改善してくれば、しばらく様子を見ていくことになります。軽い物でしたら、1日程度見ていると酸素を与える必要も無くなり、状態が安定してくれば、普通の新生児として様子を見ていけます。
酸素を与えても状態が改善しない場合には、新生児科(小児科)の診察を受ける事になります。医院の近くの、加古川中央市民病院の小児科の医師へ連絡を取り、新生児救急車で来てもらいます。多くは精密検査が必要ですので、そのまま中央市民病院で検査を受けるために、救急車で搬送し、転院となります。
最も状態が悪いと、出産直後から蘇生処置(人工呼吸や心臓マッサージ)が必要になる事もあります。その場合は、その処置を続けながら、小児科へ連絡を取り、緊急で来ていただきます。
当院から中央市民病院までは歩いても15分程度の距離ですので、早いと10分くらいで来ていただきます。逆に、母体に異常があり、母体を加古川中央市民病院の周産期センターへ搬送する必要があった場合でも、救急車到着まで数分、搬送に5分もあれば到着しますので、非常に恵まれた環境です。母体にも、新生児にも、優しく、安心な分娩が出来ています。
非常に早い処置が可能ですし、搬送時間も短く負担が小さいので、奇形などの大きな障害がある場合は大きな治療が必要になる事は仕方ないですが、それ以外では、早期に退院できています。場合によっては、お母さんの退院までに赤ちゃんは退院し、当院へ転院となり、お母さんの一緒に退院する事もあります。
元気に退院する赤ちゃんを見ると、いつみてもホッとしますね。