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ピルの処方

経口避妊薬(低用量ピル)は、女性が妊娠をコントロールするために服用する避妊薬です。

470007_254910BF3058_1_06_fig07医師の指導のもと、きちんと服用することで非常に高い確率で避妊をすることができます。日本で普及しているコンドームと比べて、数倍以上の避妊率があります。1ヶ月当たりの費用も2000~3000円程度です。

また、服用をやめることで妊娠をすることができます。

欧米での普及率は数十%以上と言われていますが、日本では数%程度と言われています。

ピルの効果

ピルの効果は、次の3作用によります。

副作用について

ピルは、個人差がありますが、副作用がでることがあります

  • むくみ
  • 片頭痛
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 性欲の減退
  • いらいらする

などが起こります。

一般的によく言われている、ガンになる、太る、将来不妊になる、というような副作用は、現在の低用量ピルにはありません。

また、血栓症(血管の中で血液の塊ができ、血管を詰まらせる状態)が起こることがあります。症状として、

  • 下肢の急激な疼痛・腫脹
  • 突然の息切れ
  • 胸痛
  • 激しい頭痛
  • 四肢の脱力
  • 麻痺
  • 構語障害
  • 急性視力障害

などの症状が現れた場合は、すぐに服薬を中止し、受診してください。特に喫煙者では可能性が高いとされています。場合によっては心筋梗塞、肺梗塞などを引き起こし、放置すると死亡する事もあります。その他、高度の肥満者、45歳以上の方でも可能性が高いとされています。

次に該当する方はこの薬を飲めないか、十分に注意が必要です。

  • 喫煙者、特に35歳以上で1日15本以上の喫煙者
  • 肥満の方
  • 片頭痛の患者、特に前兆(閃輝暗点,星型閃光等)を伴う片頭痛の方
  • 心臓弁膜症の患者、特に肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者,亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の方
  • 血管病変を伴う糖尿病患者(糖尿病性腎症,糖尿病性網膜症等)
  • 血栓症の家族歴を持つ方、特に血栓性素因のある方
  • 抗リン脂質抗体症候群の方
  • 手術前4週以内,術後2週以内,及び長期間安静状態の方
  • 脂質代謝異常のある方
  • 高血圧のある方(妊娠中の高血圧の既往も含む)
  • 産後4週以内、及び授乳中の方

これらの条件に当てはまる方では、子宮内避妊システム(避妊リング)が適応になる事もあります。ぜひご相談ください。

避妊以外の効用について

ピルは妊娠のコントロール以外にも下記の効用があるとされています。

  • 生理痛の軽減
  • 生理周期の安定
  • 月経前症候群(PMS)の軽減
  • 子宮内膜症の予防
  • 子宮体がん、卵巣がんのリスク軽減

また、上記のほかにも、にきびの治療などの美容的な効用があるともいわれています。

上記のような効用については、医師の指導のもと、適切な処方が求められます。必ずご相談のうえ、服用していただくようお願いいたします。

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