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[2017.09.12]

夏もほぼ終わり、暑い時期も過ぎた様に思います。

夏の暑さを乗り切る、というふれこみで食べられていたのが鰻です。

この風習は、万葉集にも歌が残っているようで、昔からあったものです。鰻はビタミンAが豊富で、タンパク質が豊富で、油も十分にあり、体力が落ちる夏の食品としては理想的な物です。

これが土用の丑の日の付き物になったのは、江戸時代に、平賀源内が、夏になると客足の落ちる知り合いの鰻屋に相談されたから、という説が有名ですね。その真相は、鰻屋の店頭に、「本日丑の日」という張り紙をしただけだそうです。それだけで客足が大きく伸びた、と言われています。おそらく、丑の「う」を鰻の「う」にかけてみたのでしょうね。

鰻の調理法としては、スペインには、angulas al ajillo (アングーラス アル アヒージョ)という、シラスウナギのオイル揚げが有名です。とても美味しいのですが、非常に高価な食材ですので、あまり出す店はありません。欧米では、丸ままぶつぎりにして、煮込んだり、揚げるような料理がある様です。

日本で最も多い調理法は、やはり蒲焼きでしょう。鰻のさばき方に、腹開きと背開きがあります。関西では腹開きが多いです。火の入れ方も、関西と関東は大きく違います。

関西では、さばいて串を打ち、炭火であぶっていきます。そのままですと白焼きになり、タレを浸けながらですと、蒲焼きになります。油の燻した香りがつき、香ばしくかりっとした味わいになります。

関東では、素焼した物を蒸した上で、さらにタレに浸けて焼きます。蒸す事によって油が落ちて、ふわっとした感触になります。ちなみに、背開きにするのは、腹を開くのを嫌った、というのは単なる話のようで、本当の理由は、腹開きにして串を打つと、蒸した時に端の身が薄くなるため身が崩れるが、背開きにすると端の身も厚くなるため身が崩れない、という事の様です。

どちらが好きかは好みでしょうが、私は香ばしい関西風が好きです。一番近くの鰻屋は関東風の焼きですので、行かなくなりました。少し西に行った所の鰻屋は、関西風の香ばしい蒲焼きを出してくれます。少し遠いのですが、20年ほど前からたまに通っています。最近、別府町の鰻屋でご馳走になりました。関西風の蒲焼きでしたが、非常に上品な焼きで、非常に美味しかったです。会席コースだったのですが、次回はうな重を、と思っています。

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