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飲む人工妊娠中絶薬

[2023.04.22]

英製薬会社ラインファーマが開発した妊娠中絶のための飲み薬 メフィーゴパック の製造販売が承認されました。近く正式に承認され、実用化される見通しです。

経口中絶薬は、手術と比べ身体への負担が少ない方法として、世界82の国や地域では、妊娠初期の中絶に対して経口妊娠中絶薬の使用が承認されています。

この薬は、ミフェプリストンミソプロストールという薬剤が含まれています。

ミフェプリストンは、プロゲステロン(黄体ホルモン)の働きを抑制する作用があり、妊娠を維持することができなくなります。ミソプロストールは、子宮収縮を促す作用があり、子宮内容物を排出させることができるのです。この 2 つの作用・働きによって中絶が完了します。

妊娠初期にのみ使用が可能です。

WHOは、安全だとして推奨しています。世界的に見ると、技術的な問題によって、手術の安全性は十分には高くないとされていますが、日本では技術的に優れており、手術でのトラブルは非常に少なく 1% 以下とされています。また、手術による成功率はほぼ100%であることに対して、この薬での成功率は92%程度で、かなりの失敗が起こります。その場合には、手術を行うことになります。

さらに、危険性がある程度考えられ、大量出血や、異所性妊娠(子宮外妊娠)などでは、母体の生命的な危険が及ぶ可能性が高くなります。そのため、数日間の入院の上で使用することが必要ではないかと思われます。

また、処置を受ける方の苦痛についても、手術の場合は、何らかの鎮静剤を使うことが多いため、手術そのものの苦痛はほぼ感じることはありません。一方。メフィーゴバック を使われると、使用開始より数日後に少量の出血が起こり、その後出血量が徐々に増えて、陣痛に似た腹痛が起こり、大きな出血となり、処置が終了します。数日間の出血に加え、数時間以上の苦痛を感じることになります。この精神的な苦痛を考えるとベストな方法かどうか、疑問は残ります。

正式に販売されるようになれば、また詳しくお伝えします。

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