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安定期

[2018.03.01]

多くの妊娠初期の方に、

「いつから妊娠の安定期に入りますか」

とよく聞かれます。

一般的に安定期と言われているのは、妊娠 12 週を超えた辺りから、です。この時期を過ぎると流産が少なくなるとされているのが、その根拠の様です。

妊娠初期の流産は、そのほとんどが胎児側の原因、つまり、赤ちゃんに何らかの問題があり、成長できなかった事によって、流産になった、とされています。つまり、成長できなかった妊娠が流産になってしまうのが、だいたい妊娠 12 週頃まで、という事です。実際、早期の流産になった方について、その子宮内容の排出物を調べた研究がありますが、その多くで、胎児に染色体異常が見つかった、という結果のようです。

それを逆の意味から見ると、染色体異常などの異常がない胎児が流産になる可能性が高くなる、という事は少ない、となります。

また、胎児側の異常が認められる以外では、色々な条件や外的な環境によっておこる流産は限られていることが知られています。つまり、大きな交通事故や落下など事故を除けば、流産になる可能性は高くはないです。労働基準法に定められている、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所での業務や高所作業などは、もちろん避けるべきですが、一般的な生活の中でそのような環境に遭遇することはまず無いでしょう。

異常のない妊娠でしたら、その全期間を通して流産になる可能性は小さく、安定期に流産になる可能性も同じです。この意味では、安定期という事は無いと言えます。

それとほぼ同じ時期に重なるのが、妊娠悪阻(つわり)などの妊娠初期に出てくる症状です。これらも、人によって大きく変わりますが、妊娠 10 週頃より軽くなっていき、妊娠 12 週頃にはほぼ消えている方が多いです。この意味では、安定期という言葉もあるのかな、と思います。

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