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分娩方法、自然分娩?吸引分娩?

[2018.08.25]

私の医院では、自然分娩を掲げています。自然に陣痛が起こり、赤ちゃんがゆっくりと産道を下がってきて、排臨(赤ちゃんの頭が見え始める)、発露(赤ちゃんの頭が外に出て戻らなくなる)を経て、娩出となります。

陣痛を人工的に起こす陣痛誘発も、自然分娩とは言いにくいでしょう。もちろん帝王切開も自然分娩からは除かれますね。

また、分娩時に、吸引を行って赤ちゃんを強制的に出す方法も、自然分娩とは言えません。

過去 3 年ほどの統計をとってみました。

陣痛誘発を行ったのは、5.4% で、ほとんどが、分娩予定日超過、または、前期破水の方です。それ以外で陣痛誘発を行ったのは 0.2% と非常に少なかったです。

自然な経腟分娩は、67.6% でした、

吸引分娩を行ったのは、14.3% でした。胎児心拍が徐脈になったため早く出す必要があったものや、母体の疲労のために分娩が停止してしまった症例です。

ちなみに、帝王切開術を行ったのは、18.1% です。その多くが、前回の分娩を帝王切開で行った方です。それ以外に、骨盤位(逆子)の場合には帝王切開術を行っています。胎児の状況が悪くなったなどで、緊急的に帝王切開術を行うこともありますが、数十例だけです。

一般の病院やクリニックでの帝王切開は 15% 前後、多くとも 20% 未満が適切とされているようですので、ほぼその範囲に収まっているようです。

他の施設と比べて見られると面白い傾向がみられるかもしれません。特に無痛分娩を扱っている施設では陣痛誘発率が 50% を超えるところもあるようです。帝王切開が 40% 近い施設(周産期センターは仕方ないですが)もあるようですし、吸引分娩と帝王切開でほぼ 100% という施設もあるようです。

自然分娩を掲げており、ほぼ達成できているようです。職員への負担も大きいのですが、今後も頑張っていきたいと思います。

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