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はちみつ

[2017.04.09]

独特の甘みととろみ、香りの有るハチミツ、好きな方も多いと思います。

実は、これは生の商品なのです。ミツバチが集めた花の蜜が、蜂の巣の6角形の壷の中に溜まっています。それを遠心分離機の様な器械で取り出して、集めた物です。ですから、自然界の細菌などは多く含まれている事は予想できます。

ただ、ハチミツそのものにはかなりの抗菌効果があるようで、一般的な細菌はほとんど繁殖できません。

その中で、酸素が無くても死滅しない菌があります。それがボツリヌス菌の芽胞です。

元々土壌の中に多く存在している菌で、環境が悪くなると芽胞という形に変わり、生き延びています。この菌は増殖する時にボツリヌス毒素をだします。この毒素は自然界に存在する最強の毒素の一つで、オウム真理教が利用しようとしていたことや、真空パックのからしレンコンで食中毒を起こした事があるので、聞いた事がある、という方も多いでしょう。

今、問題になっているのは、ハチミツを乳児に食べさせてしまった結果、ボツリヌス菌の芽胞による食中毒で死亡した、という問題ですね。

この芽胞は、非常に熱に強く、食品としての加熱程度では死滅しません。大人ですと、腸内の細菌叢が発達しているため、この芽胞が腸内に入って発芽しても、増殖する事は通常はありません。もちろん、何らかの重篤な状態や、免疫不全の状態では別でしょうが。一方、乳児では、この細菌叢がほとんど発達していない状態ですので、ボツリヌス菌が増殖してしまいます。その際に、ボツリヌス毒素が作られ、影響してしまうのです。この事は、30年以上前から知られていた事です。

ボツリヌス毒素は主に四肢の麻痺を引き起こします。重篤な場合は呼吸筋を麻痺させ死に至る事もあります。

この筋肉弛緩作用を利用して、しわの治療として、ごく微量を皮下に注射するような応用もされています。

くれぐれも、乳児にハチミツは与えない様にしましょう。

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