GLP-1
糖尿病の治療薬 GLP-1 (リベルサスやオゼンピック)が、世間で話題になっているます。欧米では、高度の肥満症の治療にも使われています。
ただし、日本国内では、肥満症の治療薬として認可されていません。
ところが、自費の診療として、一般的な肥満にも使っている方があります。もちろん、これは日本では保険診療の対象外です。
この薬にはいろいろな副作用が出ることが確認されており、生命に係わる重篤な副作用が出る可能性もあります。
最も多い副作用は吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛など胃腸の障害です。
他にまれですが重大な副作用として、膵炎(0.1%)、胆のう炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸(胆汁の流れが悪くなることによる黄疸、頻度不明)など膵臓・胆のう周囲の障害が出ることがあります。
低血糖も、リスクは低いですが、起こることがある副作用です。
国外では、重症の膵炎や胆嚢炎をおこしたとの報告もあり、糖尿病の治療目的以外には使うことはためらわれるのではないかと思います。
ちなみに、一般的な保険診療の薬品で副作用などが出た場合は、医薬品機構を通して、被害に対して治療費などの給付が行われる制度がありますが、適用病名である糖尿病以外に使用していて副作用などの被害が出た場合、この制度の適用外となり、給付が行われません。膵炎の場合など、程度によっては膨大な治療費がかかることもありますので、注意されたほうがいいでしょう。