タケノコ
春になると、筍が出てきます。
私の好物で、特に穂先の天ぷらが美味しいですね。
ところで、タケノコと言うと、医学生だった頃には、地元の友人グループの中でのニックネームでした。言い出したのは、今では灘五郷の中の大きな酒造会社の社長さんです。筍が育つと竹になります。竹が集まると竹やぶになります。やぶは、ヤブ医者に、という落ちなんですね。
そのヤブですが、世の中では、藪医者、とよく言われていますが、本当は、この薮ではないのです。養父医者、というのが正しい漢字です。この養父ですが、当地の北の近所、兵庫県の養父の事です。
江戸時代に、この養父町に、腕の良い医師が居たそうです。その噂が江戸にまで伝わり、将軍家に呼ばれ、将軍付きの医師になりました。名誉な事ですね。江戸の町には、その医師の弟子だ、と称する医師がたくさん現れましたが、本当の腕の良い医師はもちろんそんなことはしなかったのでしょう。それらの医師が、養父医者の弟子、つまり、藪医者、と言われてきた様です。
本当は、養父医者は腕の良い医師だったのに、薮医者は偽医者のような医者だった、というおかしな話です。
タケノコは成長して、養父医者になっていると思います。ご安心ください。