セカンドオピニオン
一旦診断が付き、治療方針が決まった後、他の医師の意見を求め、その後の診断や治療の参考にする制度があります。セカンドオピニオンと言います。
特にガンの治療や、緊急ではない大きな手術が伴う治療について、行われる事が多いでしょう。私も、前任の病院では多く対応させていただいておりました。
セカンドオピニオンのルールでは、意見を求められた医師(医療機関)は、最初に診断を下した施設から提供される検査結果のみを参考にし、自ら診察や検査は行いません。その同じ情報から診断し、治療方針について説明する事になります。その説明の内容は、最初のものとは一致する事が多いのでしょうが、時によっては全く異なる事もあります。その場合、どちらの意見を採用するかは、受診された方の裁量に任される事になります。
もし、2番目の意見を採用し、2番目の医療機関での治療を希望されたとしても、その場で転院する事は出来ず、最初の医療機関へ戻らないと行けません。改めて、最初の医療機関からの転院の紹介状を、作成してもらう事になります。
ちなみに、セカンドオピニオンを目的に受診された場合、健康保険の対象にはなりません。自由診療(自費診療)になりますので、多くの病院では面談時間に相当する費用が請求されます。30分毎に5000円から2万円という所が多いのではないでしょうか。
さて、最近、セカンドオピニオンを希望、という方の受診があります。詳しく聞いてみると、本当の意味でのセカンドオピニオンではなく、他の医療機関で何々と言われたので、もう一度検査してほしい、という方がほとんどで、前医療機関の診療情報提供書(紹介状)はまず持っていませんし、検査結果も持ってこられない方がほとんどです。上にも書いた様に、セカンドオピニオンでは検査は一切行いませんので、本来でしたら一旦お引き取りいただく事になりますし、健康保険外での受診になりますと説明させていただくと、怪訝な表情をされます。どうか、言葉をお間違いない様、お願いたします。